2002年2月23日に公開された映画『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』。
この記事では、映画『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の予告編
自由と引き換えに手術を受けて、女性としてアメリカに来たヘドウィグ。
やがてロッカーを夢見るとトミーと恋に落ちたヘドウィグは、自分の持つ音楽やロック魂を全てトミーに教え込みます。
しかしトミーはヘドウィグを裏切って…
映画『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のあらすじ(ネタバレなし)
場末のロック歌手・ヘドウィグ。
彼にはかつて恋人がいたものの、ヘドウィグの手術の失敗のため、ヘドウィグのもとを立ち去ってしまいました。
彼のことを許してなるものか!と怒りに燃えたヘドウィグは、売れっ子となったかつての恋人のツアー先を巡回し、毎晩ロックを奏で悲しみを叫びます。
映画『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の解説
「これを公開する映画館では歌ったりはしゃいでOK」ということで、ミニシアターに駆け付けました。
ロックミュージカルということで冒頭から激しい音が響き渡ります。
サンダンス映画祭監督賞・観客賞を受賞したということもあり、ミニシアター系としては注目を集めた映画でした。
ただ、当時実際に日本の劇場で一緒に歌を歌ったり踊ったりしている観客は、見かけなかったです。
ミュージカル文化というのは、まだまだ日本には定着していないのかもしれません。
グラム・ロックテイストなので、デヴィッド・ボウイ好きな方やイギリス・ドイツ系音楽が好きな方に適している映画です。
映画『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のみどころ
見どころはやはり主人公ヘドウィグの凄まじい歌唱シーン!
彼は手術で完全に女性になろうとしたのですが、「1インチ」の失敗が残ってしまったのです。
そのため、恋人に捨てられるという絶望に叩き落されました。
絶対にあの元恋人に復讐してやると決意したヘドウィグは、元恋人のツアー先を同じタイミングで巡り、バンド「アングリー・インチ」として歌い続けます。
この歌の内容、何が凄いってそのままヘドウィグの人生を歌ったものなのです。
「あたしを壊して!ブチ壊してみてよ!」「あたしには怒り1インチ!」の歌詞は涙無くしては聴けません。
映画『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の感想
パワフルな映画です。
ヘドウィグのバンドの公演先は、全部ヘドウィグの元恋人のツアー先。
単なるストーカーなのでは?と思わせておいて、実はヘドウィグにも恋人にも欠けたものがあったと気づかせる展開は素晴らしいとしか言いようがありません。
もともと人間は二人で一つの生き物だったのに、引き裂かれてしまい、片割れを求めてさまよっている、という悲しみがしっかりと映画で描かれています。
恐らく誰もが何か欠けていると感じていたり、しこりや痛み、コンプレックスを持っています。
それを膨大なエナジーに変えたヘドウィグという人間が、たまらなく愛おしくなります。
ベルリンの壁崩壊という社会現象すら自己表現に変貌させるヘドウィグが本当に素晴らしいです。
映画『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の登場人物・キャスト
ヘドウィグ/ミリアム・ショア:ジョン・キャメロン・ミッチェル
イツハク(イツァーク):ミリアム・ショア
トミー・ノーシス:マイケル・ピット
スキシプ:スティーヴン・トラスク
フィリス・スタイン:アンドレア・マーティン
セオドア・リスチンスキー
ロブ・キャンベル
マイケル・アラノフ
ベン・メイヤー=グッドマン
アルバータ・ワトソン
ジーン・ピルツ
映画『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のスタッフ
監督・脚本:ジョン・キャメロン・ミッチェル
原作:ジョン・キャメロン・ミッチェル、スティーヴン・トラスク
製作:クリスティン・ヴェイコン、ケイティ・ルーメル、パメラ・コフラー
製作総指揮:マイケル・デ・ルカ、エイミー・ヘンケルズ マーク・タスク
音楽:スティーヴン・トラスク
コメント