依水園

依水園は、江戸時代(1670年代)に奈良晒の御用商人・清須美道清によって作られた前園と、明治時代実業家・関藤次郎によって作られた後園からなっています。

庭園内の寧楽美術館には、海運業を営んだ中村家が三代にわたって収集した美術品を展示しています。

依水園MAP

広大な庭園はいくつもの茶室を持つ池泉回遊型庭園。

池、築山を巡る遊歩道の周りは、豊かな植栽によって四季折々の表情を見せてくれます。

依水園のつくり

依水園・前園

奈良晒を扱う御用商人であった清須美道清が1670年代、吉城川のほとりに煎茶を楽しむための別邸三秀亭を移築しました。

挺秀軒も建て、春日山、若草山を望む庭園を造ったのが『前園』です。

清秀庵は裏千家にある重要文化財指定の茶室『又隠(ゆういん)』の写しとして作られた茶室で、茶室を広く見せるために作られた『楊枝柱』が特徴です。

挺秀軒は、明治に入ってから関藤次郎が裏千家茶席の待合にも使えるように縁を取り付け改造しています。

前園・三秀亭では庭園を眺めながら食事やお茶を楽しむことができます。

皇族や武士でなく、豪商が作った庭園なんだ。

すごいな!

茅葺屋根の上に載せられているのは鮑の貝殻。

茅を巣作りの材料に狙うカラスを追い払うため(磨いた貝殻は鷹の目のように光る)、また、火災除けのため(アワビは海のもの)使われています。

 

依水園・後園

また、明治時代に実業家・関藤次郎が茶の湯と詩歌の会を楽しむために作った築山式の池泉回遊式庭園が『後園』です。

氷心亭は、新薬師寺に使われていた天平古材を天井板に用いて明治期に作られた書院造の茶室。
今では貴重な極薄の『口吹き硝子』は花火の音でも震える薄さ。

柳生堂は柳生一族の菩提寺・芳徳寺で、明治期に取り壊しの危機にあったお堂を関藤次郎が買受け、ここに移築したものです。

後園の池の護岸石には、焼失した東大寺七重塔の心楚石が使われています。
割れた残りは大阪に運ばれたと言われています。

後園では広々とした空間に築山、池、滝、水車小屋を配し変化に富んだ景観を楽しめます。

住所 奈良県奈良市水門町74
国の名勝 依水園
開園 9:30~16:30
入園料 大人1,200円
公式サイト https://www.isuien.or.jp/
依水園・寧楽美術館 · 〒630-8208 奈良県奈良市水門町74
★★★★★ · 庭園

寧楽美術館

海運業を営んだ中村準策が1939年、関家より依水園を買受けます。

中村準一、準佑の三代にわたって収集した美術品は二千数百点。

1958年より準佑が美術品の公開を開始。1969年に美術館の建物が建築されました。

古代中国や高麗時代の名品も多く、重要文化財に指定されている美術品も。

茶道関係のものが多いようじゃ。

アクセス

近鉄奈良線 近鉄奈良駅 徒歩10分

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