春日大社・武甕槌命(タケミカヅチノミコト)と1分でわかる国譲り神話

中門・御廊 寺社仏閣
中門・御廊

春日大社は768年、平城京の守護と国民の繁栄を祈願するために創建され、藤原氏の氏神・武甕槌命(タケミカヅチノミコト)を祀る神社です。

同じく藤原氏ゆかりの興福寺と一体となって隆盛を極めました。

主祭神の武甕槌命が白鹿に乗ってきたとされることから、鹿を神使として大切にしてきました。
現在奈良公園には、野生の鹿が約1,300匹生息しています。

春日大社

名称 春日大社
住所 奈良県奈良市春日野町160
主祭神 春日神
①武甕槌(タケミカヅチ)命…藤原氏守護神(常陸国鹿島の神)
②経津主(フツヌシ)命…同上(下総国香取の神)
③天児屋根(アメノコヤネ)命…藤原氏の祖神(河内国平岡の神)
④比売神…天児屋根の妻。その正体は天照大御神とも。
ご神体 御蓋山(神体山)
創建 768年
人物 藤原不比等
国宝 本社 本殿 4棟、美術工芸品(鎧、刀等)多数
重要文化財 本社 23棟、美術工芸品(舞楽面等)多数
国の特別天然記念物 春日山原始林
公式サイト https://www.kasugataisha.or.jp/
春日大社 · 〒630-8212 奈良県奈良市春日野町160
★★★★★ · 神社

歴史・1分でわかる国譲り神話

【国譲りの神話】

天照大神は孫の邇々芸命(ニニギノミコト)に葦原中国(あしはらのなかつくに)を治めさせようと考えました。

武甕槌(タケミカヅチ)命経津主(フツヌシ)命とともに出雲に行き、葦原中国を治める大国主(オオクヌヌシ)命に『国譲り』を迫りました。

日本書紀ではこの二人、古事記では武甕槌命の名前だけが出てくるよ

大国主命が息子の事代主(コトシロヌシ)命に問うと、事代主命は「譲りましょう」と答えました。
大国主命はもう一人の息子、建御名方(タケミナカタ)命に問うと、タケミナカタは「力比べをしよう」と言いました。

タケミナカタタケミカヅチの手を取ると、タケミカヅチの手は氷の柱に変わり、さらに剣となってタケミナカタを襲おうとしました。

今度はタケミカヅチタケミナカタの手を取ると、やすやすと握りつぶし、タケミナカタを遠くに投げ飛ばしてしまいました。

逃げるタケミナカタを諏訪湖まで追い詰めたタケミカヅチ
タケミナカタは今後諏訪から出ないこと、葦原中国はニニギに譲ることを約束しました。

大国主命は、国を譲る代わりに大きな宮殿を建てる許可を求めました。これが出雲大社です。

こののち武甕槌(タケミカヅチ)命経津主(フツヌシ)命とともに軍神として名を馳せることになりました。

【中臣氏は鹿島で軍神武甕槌命を信奉していた】

古来祭祀を司る中臣氏は、日本武(ヤマトタケル)の東国征伐と共に、鹿島を含む常総地方に定着していました。
中臣氏は鹿島神ことタケミカヅチを祖神として信奉していたのです。

ちなみに、中臣氏の祖神(おやがみ)は天児屋根(アメノコヤネ)命
天児屋根(アメノコヤネ)命とは、天照大神が岩戸隠れをしたとき、岩戸の前で祝詞を唱え、天照大御神が岩戸を少し開いたときに布刀玉(フトダマ)命とともに鏡を差し出した神さまなのだそう。

【中臣氏から藤原氏へ】

645年、中臣鎌足は中大兄皇子と共に蘇我入鹿を倒す『乙巳の変(いっしのへん)』を起こしました。そして、天皇中心の中央集権国家を作り上げる『大化の改新』を推進したのです。

これにより天皇から『藤原』の姓を賜り、藤原鎌足となります。藤原鎌足の子が藤原不比等です。

【春日神社の創建】

768年、平城京に春日大社(奈良県奈良市)が作られると、藤原氏は一族の氏神である鹿島神=武甕槌命(タケミカヅチノミコト)を勧請しました。

武甕槌命は白い鹿に乗って御蓋山に降り立ったとされています。

みどころ

春日大社大宮 中門(ちゅうもん)・御廊(おろう)

高さ10mの中門から左右に伸びる回廊、御廊(おろう)は興福寺や東大寺の僧が読経をした場所だそう。見渡すかぎりに連なる釣燈籠が幻想的です。

中門・御廊

中門・御廊

釣燈篭

釣燈篭

新しいものは金色に輝き、古いものは落ち着いた色に変わっていくのも味があります。

御本殿四棟

国宝の四つの本殿。

  • 第一殿 武甕槌命(タケミカヅチノミコト)
  • 第二殿 経津主命(フツヌシノミコト)
  • 第三殿 天児屋根命(アメノコヤネノミコト)
  • 第四殿 比売神(ヒメガミ)

比売神は天児屋根命の妻とも、実は天照大神であるとも言われています。

御本殿

御本殿

春日大社 藤浪之屋・万燈篭

万灯篭

万燈篭

藤浪之屋では暗くした室内に燈篭を灯して万燈篭を再現してくれています。
鏡張りになっているため、どこまでも連なる燈篭の光が、見る者を異次元へといざないます。

春日大社摂社・末社の数々

風宮神社

風宮神社

摂社末社が数えきれないほど並ぶ境内。

風宮(かぜのみや)神社にダイキン工業の名前が見えるのもいい感じ。
エアコンで大繁盛なのも、ここ風宮神社のご利益なのかもしれませんね。

この場所に『七種宿木』という、イスノキ、ヤマザクラ、ツバキ、ナンテン、ニワトコ、フジ、カエデの七種が共生する珍しい木があります。

春日大社幣殿

幣殿

幣殿

この一つの建物の東二間は幣殿、西三間は舞殿。

神に供物や舞を奉納する場所のようです。

春日祭

春日祭では幣殿にお供えをするようですね。

この動画はTVのニュース番組のようですので、通常は見られない場面が見られて面白いです。

春日大社国宝殿・鼉太鼓(だだいこ)

 鼉太鼓(だだいこ)

鼉太鼓(だだいこ)

源頼朝が奉納したという巨大な鼉太鼓(だだいこ)。

春日大社国宝殿の1階には色鮮やかなレプリカ、2階には実物が展示されています。

他にも螺鈿の琴、絢爛豪華な鎧兜、刀剣、道具類など、日本の匠の技が間近で見られる国宝館、是非行ってみてください。

春日大社 御本殿map

御蓋山浮雲峰遥拝所からは、タケミカヅチの神が白鹿に乗って降臨されたという御蓋山頂上が望めます。

御蓋山頂上は禁足地として入山が厳しく制限されています。

春日大社 御本殿

春日大社 御本殿

アクセス

近鉄奈良駅から徒歩25分。

JR奈良駅から三条通りを東へ徒歩35分。

コメント

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました