東大寺は見どころ満載!南大門・大仏殿・戒壇堂・二月堂などとその歴史

東大寺 二月堂からの眺め 寺社仏閣
東大寺 二月堂からの眺め

国宝や重要文化財の宝庫、東大寺の境内では天平文化の粋に触れることができます。

南大門、大仏殿から三月堂、二月堂へ回るのが人気のコースですが、静かに佇む戒壇堂にも、ぜひ足を運んでみてください。

奈良公園のかわいい鹿たちは境内にも姿を見せて、私たちの心を和ませてくれます。

東大寺

名称 東大寺
住所 奈良県奈良市雑司町406-1
宗派 華厳宗 大本山
本尊 盧舎那仏(奈良大仏、国宝)
開山 良弁
創建 8世紀前半
開基 聖武天皇
人物 行基
国宝 金堂(大仏殿)、南大門、本坊経庫、開山堂、鐘楼、法華堂(三月堂)、二月堂、転害門、美術工芸品多数
重要文化財 建造物、美術工芸品等多数
国指定史跡 東大寺旧境内、東大寺東南院旧境内
拝観料 大仏殿・法華堂・戒壇堂・東大寺ミュージアム それぞれ大人800円
大仏殿・東大寺ミュージアム セット券1,200円
公式サイト https://www.todaiji.or.jp/
東大寺 · 〒630-8587 奈良県奈良市雑司町406−1
★★★★★ · 仏教寺院

筆者の旅行サイト紹介

筆者が東大寺に足を運んで見たこと、感じたことなどをつづっています。

ご参考まで。

奈良仏教の歴史

①法相宗 道昭(629-700年)…興福寺、薬師寺
玄奘三蔵(602- 664年)がインドへの旅(629-645年)から持ち帰り、653年に遣唐使の道昭が教えを請い日本に伝わりました。

②律宗  鑑真(688-763年)…唐招提寺
753年、鑑真が6度の航海の末に日本に到達。これを伝えました。
授戒の儀式を日本国内で行えるよう、栄叡と普照が唐に渡り鑑真を招聘したものです。

③華厳宗 良弁(689-774年)…東大寺
736年、審祥により伝来。
740年、金鐘寺(後の東大寺)の良弁の招きを受けた審祥は、この寺において『華厳経』・『梵網経』に基づく講義を行い、その思想が反映されて東大寺盧舎那仏像(奈良の大仏)が建立(743年-749年)された。

東大寺の歴史

728年 聖武天皇と光明皇后が幼くして亡くなった皇子・基王の菩提を弔うため、若草山の麓に『金鐘寺(こんしゅじ)を設け、9人の僧を住まわせた。
742年 金鐘寺は大和国の国分寺兼総国分寺と定められ、金光明寺に社名変更。
743年 聖武天皇、大仏造立の詔を発令。
紫香楽宮(現・滋賀県甲賀市信楽町)で大仏造立が始められた。
745年 平城京へ遷都。大仏造立も、現在の東大寺の地で改めて行われる。
行基を大僧正として迎える。

『行基葺(ぎょうきぶき)』でも有名な行基は民衆に仏教を説いたり、社会貢献事業に尽力したり、民衆から圧倒的に支持されていたんだ。

その人気のために、東大寺の大僧正として迎えられたんだね。

747年 東大寺の寺号が使われ始める
749年 鎮守社として手向山八幡宮が創建される。
752年
天竺(インド)出身のバラモン僧正菩提僊那を導師として大仏開眼会(かいげんえ)が挙行される。
758年
大仏殿竣工

東大寺のみどころ

『東大寺3Dバーチャル参拝』で美しい映像が見られますよ!

東大寺3Dバーチャル参拝

南大門

高さ25mの南大門は鎌倉時代に金剛力士像とともに再建されたもの。

『大仏様(だいぶつよう)』と呼ばれる独特のスタイルは、肘木が柱を貫通する『差肘木(さしひじき)』、天井を張らず屋根裏が見える『化粧屋根裏』などの特徴があります。

東大寺南大門

東大寺南大門

南大門金剛力士立像

金剛力士立像は1203年、運慶・快慶を筆頭とする仏師集団がわずか69日で作り上げたもの。
各3000個以上のパーツを組み上げて作られている寄木造りです。

南大門 金剛力士立像 阿形

南大門 金剛力士立像 阿形

通常は寺院の外を向いているこの一組の像が、門の内側を向いていること、また、通常は阿形が右、吽形が左であるのに対し逆の配置になっていることは『東大寺の七不思議』に数えられています。

東大寺南大門 金剛力士立像 吽形

東大寺南大門 金剛力士立像 吽形

しかしこれは鎌倉時代、3度も宋へ渡り仏教を学んできた僧・重源(ちょうげん)が、再建にあたってこの配置にするよう指示したという説が有力です。

大仏殿

廬舎那仏、虚空蔵菩薩、如意輪観音を中心に、

四天王(持国天、増長天、広目天、多聞天)がにらみを利かせます。

四天王はじ・ぞう・こう・た(地藏買うた)と覚えるといいよ

持国天は東、増長天は南、広目天は西、多聞天は北を守る守護神だから

方角もいっぺんに覚えられるのう

増長天と持国天は頭部のみの像です。

動画では、まるで動いているかのような奇跡の瞬間が見られるよ!

毎年元旦とお盆には大仏殿の『観相窓』が開き、大仏様のお顔を外から拝むことができます。

東大寺 大仏殿

東大寺 大仏殿

圧倒的な大きさ。観相窓が見えます。

領域展開伏魔御厨子!って呟きたくなるね

大仏(廬舎那仏)

高さ15mという大きさは仏教の力であらゆるものが安らかに暮らせるようにという願いがこめられているから。

知恵の象徴・螺髪の大きさは直径約22cm、高さ30cm、重さは1つ1.2㎏もあります。
全部で492個あったもののうち、現存しているのは483個です。

これは従来966個と推定されていたものを、2015年にレーザー解析してわかったことです。

東大寺 廬舎那仏(大仏)

東大寺 廬舎那仏(大仏)

金銅八角燈籠(大仏殿前所在)

東大寺創建当初から建つこの灯篭は高さ4.6m。国宝です。

八面の扉のうち4面には雲中を駆ける4頭の獅子が、他の4面には横笛、尺八、鈸子(ばつし・シンバル)、笙を奏する音声菩薩(おんじょうぼさつ)が、鉄格子と唐草文様の透かし時の上に浮彫で表されています。

東大寺 金銅八角燈籠(国宝)

東大寺 金銅八角燈籠(国宝)

扉のうち1枚は紛失、もう1枚は盗難に遭ってレプリカが付けられているよ。
盗難にあったものはすぐに出て来たので、東大寺ミュージアムに展示されているんだ

戒壇堂

大仏殿に向かって左手。ちょっと離れた場所にありますが、本当に、ぜひ行って欲しい素晴らしい場所です。

東大寺戒壇院 戒壇堂

東大寺戒壇院 戒壇堂

四天王像は奈良時代に粘土で作られた塑像。

生き生きと美しく、中央の釈迦如来・多宝如来をお守りするかのように四隅に立たれています。

中でも広目天はイケメンであると大人気!

パンフレットの表紙にもなっています。

東大寺戒壇院 戒壇堂パンフレットより 四天王 (1)

戒壇堂パンフレットより 四天王

通路をぐるっと回って、一つ一つ間近で拝見できるのもすばらしい。
四天王の引き締まった表情と、足で踏みつけられた邪鬼の情けない様子がいい味出してます。

拝観料は別途かかりますが、それ以上の価値のあるお堂です。

二月堂

法華堂(三月堂)から奥に階段を登っていくと、山の斜面に懸造(かけづくり)で建てられた二月堂へ。この舞台では3月の行事『お水取り』が行われます。

長い階段を上がってたどり着いた山の上。
不意に眺望が開け、大仏殿の屋根や奈良市街、生駒山が見えると爽快な気分になります。

軒端に吊るされた燈篭も風情があるね!

東大寺 二月堂からの眺め

東大寺 二月堂からの眺め

鐘楼(国宝)は1207年 – 1211年の再建。現在の鐘楼は、重源上人に次いで大勧進職に就いた栄西禅師が再建したもの。

吊られている梵鐘(国宝)は大仏開眼と同年の752年の製作で、中世以前の梵鐘としては最大のもの(高385センチメートル、口径271センチメートル)。

東大寺 鐘

東大寺 鐘

東大寺ミュージアム

貴重な仏像等が見やすく展示され、ゆっくり見られるのが良いですね。

大仏殿とのセット券を利用すればお得に見学できます。

アショカピラーと相輪

アショカピラーはインドのブッダにまつわる塔を模して造られたもの。
相輪はかつて東大寺にあった七重塔の相輪の復元です。

これらについては、動画にて解説・考察しています。

東大寺 相輪と鹿

東大寺 相輪と鹿

東大寺の七不思議

金剛力士像の向き 南大門の金剛力士像が、外ではなく内側を向いている
金剛力士像の配置 右に吽(うん)形、左に阿(あ)形は普通と逆

ただし、上記2点は鎌倉時代に宋に渡った重源(ちょうげん)が、宋のトレンドを伝えたとの説が有力です。

柱の穴くぐり 大仏の鼻の穴と同じ大きさの穴が、大仏殿の柱に空いている。
これをくぐると開運・厄除けのご利益があるとされるが、なぜこの穴があるのかは不明
頭だけの四天王像 増長天と持国天の像が頭だけしかない。

これは予算の関係であったと言われています。

脚が八本の蝶 大仏の前に作られている花瓶に蝶が止まっているが、足の数が八本である。
廬舎那仏の脇侍 通常なら廬舎那仏の脇侍は文殊菩薩と普賢菩薩。
東大寺では如意輪観音菩薩と虚空蔵菩薩。
巨大な鴟尾 大仏殿の屋根の鴟尾が、バランス的に巨大。
しかし、大仏殿は過去2回焼失しており、最初は現在の1.5倍の大きさの大仏殿であったことが理由かもしれません。
東大寺 南大門と鳩

東大寺 南大門と鳩

アクセス

●電車

近鉄奈良線「奈良駅」より徒歩約15分

●バス

① JR奈良駅・近鉄奈良駅から市内循環バス「東大寺大仏殿・春日大社前」下車徒歩5分
② 近鉄奈良駅から、ぐるっとバス(大宮通ルート・奈良公園ルート)「大仏殿前駐車場」下車すぐ

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