1967年7月7日に公開された映画『気狂いピエロ』。
この記事では、映画『気狂いピエロ』のあらすじ(ネタばれナシ)・解説・みどころ・感想をご紹介します。
映画『気狂いピエロ』の予告編
「ピエロ」と呼ばれるフェルディナンは、不幸な結婚をしていました。
退屈な生活から逃げ出したい衝動に駆られていたフェルディナンは、ふと出会った昔の恋人であるマリアンヌと一夜を過ごし、なりゆきから彼女と共に逃避行を始めることになります。
映画『気狂いピエロ』のあらすじ(ネタバレなし)
フェルディナンは妻子持ちの裕福なイタリア人です。
何不自由なく暮らしてはいましたが、妻との生活には退屈していました。
そんな時にパーティで昔の女友達、マリアンヌと再会します。
二人は一夜を過ごしますが、フェルディナンが翌朝目を覚ますと、そこには意外なものがありました。
マリアンヌは「わけは後で話す」と言い、彼を誘って一緒にパリから南仏へ逃げることになります。
映画『気狂いピエロ』の解説
鬼才・ジャン=リュック・ゴダールが制作した、ヌーベルヴァーグの金字塔とも言えるべき作品です。
難解な映画として有名で、今もなお世界中の評論家たちから批評され続けています。
絵画、文学、詩や哲学など、様々なメッセージがパッチワークのように織り込まれていることにより、見る者を惹き付けるのです。
作品のテーマとしては、アメリカへの反抗的な意味合いが含まれています。
当時の商業的な映画を良しとしなかった若手映像作家たちが、色々な実験を試みることで個性の強い映画を作り出していきました。
それがヌーヴェルヴァーグです。
映画『気狂いピエロ』のみどころ
この作品は作家の個性がかなり強く出ています。
絵画、文学、詩などが引用され、ゴダールの心情が深く描写されています。
自らの思想を、主人公であるフェルナンディの口を借りて語っているのです。
唐突に様々なことが起こり、カメラワークが切り替わったりフェルナンディが急に見ている私たちに話しかけたりします。
しかしこれがゴダールが強烈に発信するメッセージとして、心に残ります。
そしてカラフルで美しい映像やカメラワーク、洗練されたお洒落な会話がとても魅力的です。
意味を全て理解できなくても、感覚的に見ているだけでアートな雰囲気を楽しめる映画となっています。
映画『気狂いピエロ』の感想
一言でカオスな映画だと思いました。
映し出される絵画、カメラワークや会話などは考えすぎると混乱してくるため、あくまで画面を楽しむような見方ができれば良いと思います。
肩の力を抜いて感覚的に見ると、センス溢れるセリフ回しや美しい色彩に、芸術を見ているような感動を覚えることでしょう。
映画『気狂いピエロ』の登場人物・キャスト
フェルディナン・グリフォン:ジャン=ポール・ベルモンド
マリアンヌ・ルノワール:アンナ・カリーナ
フェルディナンの妻:グラッツィラ・ガルヴァーニ
ギャング:ロジェ・デュトワ
ギャング:ハンス・メイヤー
本人役:サミュエル・フラー
映画館の若い観客:ジャン=ピエール・レオ
ラズロ・コヴァックス、政治亡命者:ラズロ・サボ
港の男:レイモン・ドボス
映画『気狂いピエロ』のスタッフ
監督:ジャン=リュック・ゴダール
脚本:ジャン=リュック・ゴダール
製作:ジョルジュ・ド・ボールガール
音楽:アントワーヌ・デュアメル
撮影:ラウール・クタール
編集:フランソワーズ・コラン
コメント