映画『美しき諍い女』あらすじ(ネタばれナシ)・解説・みどころ・感想

洋画

1992年5月23日に公開された映画『美しき諍い(いさかい)女』。

この記事では、映画『美しき諍い女』のあらすじ(ネタばれナシ)・解説・みどころ・感想をご紹介します。

映画『美しき諍い女』のDVD

『美しき諍い女』DVD表紙 Amazonより

一旦は筆をおいた老画家が、再び製作の意欲を燃やし、渾身の作品を書き上げます。

しかし書き上げたその絵には、人間の内面がまざまざと描き出されていたのでした。

映画『美しき諍い女』のあらすじ(ネタバレなし)

画家ニコラスとその恋人マリアンヌは画商に招かれ、老画家フレンホーフェルの邸宅にやってきます。
フレンホーフェルは10年前、妻をモデルに自らの最高傑作『美しき諍い女』描こうとしましたが、完成直前にその制作を中断して以来、筆を握っていませんでした。

しかし彼はマリアンヌに“美しき諍い女”を見出して、再び制作に挑むことを決意します。

映画『美しき諍い女』の解説

1991年のフランス映画で、ジャック・リヴェット監督の作品です。

作家バルザックの「知られざる傑作」を原作としています。

監督は原作を大胆に脚色していて、非常に哲学的で奥深い作品に仕上がっています。

この作品は、その年のカンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを受賞しました。

上映時間は4時間程ですが、ピリッと引き締まった作品なので飽きる事はありません。

画家が鉛筆を走らせるシーンでは、静かな中にも張り詰めた美しい緊張感があります。

劇中に出てくる老画家フレンホーフェルの絵は、実際の画家であるベルナール・デュフールのカンバスへのタッチを、編集せずに長回しで撮影したものです。

映画『美しき諍い女』のみどころ

美しく緊張感のある画面が魅力的な作品です。

画家が絵を描くシーンは編集をほとんどせず、長回しで撮っています。

この事からも、監督の画面作りに対する強いこだわりが感じられます。

映画に登場する絵は実際の画家ベルナール・デュフールの作品を使用しているので、リアリティを感じられることでしょう。

画家とその周囲の人々の関係も、段々と張り詰めていくため目が離せません。

絵画や人間関係に対する葛藤を中心に描かれていますが、哲学的な考え方が非常に興味深いです。

観た後にいつまでも心に残り、深く考えさせられる作品と言えるでしょう。

映画『美しき諍い女』の感想

鉛筆の音だけが室内に響き渡るシーンが、非常に印象的でした。

張り詰めた緊張感が美しく、上映時間の長い作品ですが見ていて飽きさせません。

こだわりが感じられる画面作りも、映画の哲学的な深い思想とマッチしています。

観た後に静かな余韻が胸に残る事でしょう。

映画『美しき諍い女』の登場人物・キャスト

フレンホーフェル:ミシェル・ピコリ
リズ:ジェーン・バーキン
マリアンヌ:エマニュエル・ベアール
ジュリエンヌ:マリアンヌ・ドニクール
ニコラ:ダヴィッド・バースタイン
ポルビュス:ジル・アルボナ

映画『美しき諍い女』のスタッフ

監督:ジャック・リヴェット
脚本:パスカル・ポニツェール、クリスティーヌ・ロラン、ジャック・リヴェット
製作:マルティーヌ・マリニャック
音楽:イゴール・ストラヴィンスキー
撮影:ウィリアム・リュプチャンスキー
編集:ニコル・リュプチャンスキー

コメント

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました