2006年1月21日に公開された映画『博士の愛した数式』
この記事では、映画『博士の愛した数式』のあらすじ(ネタばれナシ)・解説・みどころ・感想をご紹介します。
映画『博士の愛した数式』の予告編
不慮の交通事故によって、記憶がたった80分しかもたなくなってしまった博士。
家政婦の杏子と息子に博士は「数式の美しさ」を教えます。
「ルート」と呼ばれた息子は数学の世界に魅せられ、数学教師になったのでした。
映画『博士の愛した数式』のあらすじ(ネタバレなし)
杏子は家政婦として働くシングルマザー。
ある日、『交通事故の後遺症によって記憶が80分しかない博士』の家政婦として働くことになります。
博士と杏子と息子のルート。
ルートの算数のドリルを見る時も、決してルートを叱らず、褒め続ける博士の三人によって繰り広げられる日常の中で、博士が80分しか記憶を持てなくなった過去が明らかになります。
映画『博士の愛した数式』の解説
2004年に開催された第一回本屋大賞の受賞作品である小川洋子のベストセラー本を2006年に寺尾聰、深津絵里主演で映画化した作品です。
原作の新潮文庫版は発売から約2ヶ月で100万部の売り上げを突破し、史上最速を記録しました。
数学者エルデシュを題材にした『放浪の天才数学者エルデシュ』が参考文献とされており、博士のモデルと言われています。
またこの作品は、原作を忠実に映画化した作品でもあります。
配給はアスミック・エースが請け負い、「博士の愛した数式」製作委員会が制作を担当、興行収入は約12億円と言われました。
映画『博士の愛した数式』のみどころ
高校で数学の教師をしているルートは、ある日の数学の授業で、自分のあだ名について、また何故数学の教師になったのかについて、語り始めます。
それはルートにとって、とても大切な思い出の一つでした。
劇中の多くの場面で、博士と接することで杏子が数式に魅了されていく姿が描かれ、また同じようにルートもそれに影響されるようになります。
幼い自分に数学や数式を通して感情というものをルートに教えてくれた博士との交流が描かれます。事故の後遺症によって、記憶が80分しか保たない博士は、幼いルートに大切なことを教えてくれたのです。
映画『博士の愛した数式』の感想
全ての気持ちを数式に当てはめることなんてできるわけがないと誰もが思うでしょう。
けれど、その複雑な感情を数式に当てはめた時、それはとても美しい響きを奏でます。
作中に何度も用いられる数式は難解なように思いますが、決してそうではありません。
博士がルートに褒めることをし続けたように、数式で伝えること以上に、想いは伝わるということを訴えかけるシーンが多く出てきますが、それすらも数式の曲線美のうちに描かれていることが、この作品の素晴らしいところです。
また博士の記憶が80分しか保たないことも影響し、大切なことをいかにコンパクトに伝えるか、ということが数式で伝えるということに凝縮されます。
博士が遭った事故は、義姉との逃避行に誘った時に起きたものでした。
過去を背負い博士の面倒を見る義姉と、過去を背負うことができなくなった博士。
どちらが悲しいのか、ということも考えさせられます。
映画『博士の愛した数式』の登場人物・キャスト
博士:寺尾聰
杏子:深津絵里
ルート:齋藤隆成
先生(19年後のルート):吉岡秀隆
未亡人:浅丘ルリ子
薪能の客:小川洋子(カメオ出演)他
映画『博士の愛した数式』のスタッフ
脚本・監督:小泉堯史
音楽:加古隆
撮影:上田正治、北澤弘之
プロデューサー:荒木美也子、桜井勉 他
映画『博士の愛した数式』まとめ
全ての気持ちを数式に当てはめることなんてできるわけがないと誰もが思うでしょう。
けれど、その複雑な感情を数式に当てはめた時、それはとても美しい響きを奏でます。
作中に何度も用いられる数式は難解なように思いますが、決してそうではありません。
博士がルートに褒めることをし続けたように、数式で伝えること以上に、想いは伝わるということを訴えかけるシーンが多く出てきますが、それすらも数式の曲線美のうちに描かれていることが、この作品の素晴らしいところです。
また博士の記憶が80分しか保たないことも影響し、大切なことをいかにコンパクトに伝えるか、ということが数式で伝えるということに凝縮されます。
博士が遭った事故は、義姉との逃避行に誘った時に起きたものでした。
過去を背負い博士の面倒を見る義姉と、過去を背負うことができなくなった博士。
どちらが悲しいのか、ということも考えさせられます。
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