映画『ブルージャイアント』がひどいと言われる3つの理由

邦画

石塚真一先生が描くジャズマンガ『ブルージャイアント』がアニメ映画化されました。
サックス奏者を目指す少年・宮本大の夢と挑戦を追うストーリーです。

しかし、「ひどい」という声もネット上で見られます。その理由は何でしょうか?

映画『ブルージャイアント』には大の苦悩や成長を感じる場面が少ない

漫画『ブルージャイアント』では寒い冬も、炎天下の夏も、広瀬川の川原でサックスを吹き続ける不器用なほどに熱心な大の姿が描かれたり、初めての人前での演奏で怒鳴られたりする場面がありました。

人の善意とまっすぐな大の思いがつながって由井先生に教えてもらう場面、「へでもねえや」と自らを鼓舞する場面も。

映画は大と雪祈、玉田の三人の物語として再構築されていたため、大の下積み時代はカットされてしまったことが残念です。

映画『ブルージャイアント』原作同様の悲劇が…

映画『ブルージャイアント』でも、原作漫画の10巻で起こる衝撃的な展開が待っています。

サックス吹きの大とピアニストの雪祈、ドラマーの玉田はJASSというバンドを組みます。
JASSはライブで人気を集め、目標にしていたソーブルーという有名なジャズクラブに出演するチャンスを得ます。
CDリリースやメディア露出も期待されています。

しかし、ソーブルーの出演直前、雪祈が交通事故に遭って右腕を骨折してしまいます。

これでソーブルーへは大と玉田だけの出演となりますが、映画では雪祈が病院からステージへ直行、アンコールの1曲だけを左手だけで弾き、3人でのステージが実現しました。

しかし、大の歩みを止めさせないために雪祈はJASSの解散を提案します。

これらは原作と同じ悲劇であり、アンコールの1曲だけでも3人でソーブルーのステージに上がれたことは幸せだと思いますが、「ひどい」と感じるファンもいるようです。

『ブルージャイアント』の悲劇には意味がある

しかし、この悲劇には意味があります。

宮本大が世界一のジャズプレーヤーになるためには、日本だけではなく世界へ飛び出さなければなりません。JASSが日本で成功したとしても、それだけでは世界一には届かないのです。

では宮本大を日本から出す方法は何でしょうか?

それを示唆する伏線があります。

事故直前、雪祈は自分の作曲能力に気付き始めていました。

雪祈もピアニストとして成長しましたが、本当にやりたいことは作曲だったかもしれません。
事故は彼の人生を変えるきっかけだったかもしれないのです。

玉田も親と話し合って大学を留年することを決めていました。
しかし退学しなかったことも伏線です。

玉田は初心者からソーブルーへ登りつめましたが、それはJASSのメンバーだからです。
他のバンドでは満足できません。
結局玉田は親の望み通り大学卒業後就職する道を選ぶかもしれません。

大だけがサックスの師匠の由井と相談してドイツへ渡ります。 そしてその先にあるアメリカへ。

大が世界に出るために、三人がバラバラになってしまうという展開が「ひどい」と感じられるのかもしれません。

映画『ブルージャイアント』がひどいと言われる3つの理由まとめ

大好評を博している映画『ブルージャイアント』が「ひどい」と言われる理由を3つにまとめてみました。

1つは漫画に比べて大の苦労や成長を感じられないこと。2つめは漫画と同様の悲劇の展開を避けられなかったこと。3つ目も漫画同様、3人がバラバラになることが大のために必要だったということが受け入れがたいようです。

今後、アメリカでの大と雪祈の再会や、新しい人生を歩む玉田とのエピソードなどがでてくるかもしれません。『ブルージャイアント・シュプリーム』『ブルージャイアント・エクスプローラー』と続いていくこのストーリーを、ずっと応援していきたいものです。

コメント

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました