I’m beginning to see the light(灯りが見えた)歌詞和訳とデューク・エリントン

”I’m beginning to see the light(灯りが見えた)”はジャズのスタンダードナンバー。

この曲の歌詞の和訳、曲の成り立ち、作曲家のデューク・エリントンについて、ご紹介します。

I’m beginning to see the light(灯りが見えた)歌詞和訳

【冒頭歌詞】

I never cared much for moonlit skies…

【歌詞和訳】

夜空の月の光を気にしたことも、蛍の光を気にしたこともなかった
でもあなたの瞳に星を見つけちゃったから…私には灯りが見えてきたみたい

夕焼けなんか気にしたこともなかったし、ヤドリギに飾ったロウソクも興味なかった
でもあなたがランプの灯を落としたから…私はいいことあるのかなってワクワクしちゃう

公園をあてもなくぶらぶらしたり、暗闇でシャドウ・ボクシングしたり
そしたらあなたが現れて、小さな火花が、大火事を引き起こしたってわけよ

ランタンの灯りでメイクラヴしたことも、ワイングラスに虹がみえたこともなかった
でもあなたのキスで私の唇は火傷しそう
私にも光が見えてきたみたい!

(著者意訳)

何の変哲もない平凡な暮らしを闇に例えるなら、『あなたとの出会い』が私の人生に起きた小さな火花。
ロマンティックなモノやコトが、ついに私にも起こり始めて、『灯りが見えた』と歌っているんですかね。

こんなふうに小さなトキメキを集めて一つの曲にするって素敵ですね。
自分に訪れてくれる小さな灯りを、ずっと大切にしていきたくなります。

I’m beginning to see the light(灯りが見えた)の作者は誰?

1944年作の”I’m beginning to see the light”。
この曲はデューク・エリントン、ジョニー・ホッジス、ハリー・ジェイムスの共作で、ドン・ジョージが歌詞をつけたと言われています。

ハリー・ジェイムズがキティ・カレンの歌で1944年にこの録音をリリース。

1944年12月1日、後を追うようにデューク・エリントンがジョーヤ・シェリルの歌でレコードをリリース。

ジョーヤ・シェリルは1927年生まれですので、この録音の時にはまだ17歳!

堂々たる歌いっぷりは貫禄さえ感じさせますね。

この後デューク・エリントンがこの曲の出だしのフレーズをたびたびアドリブの中に登場させるのは「俺が書いた曲だぞ」とアピールしているという都市伝説もあります(笑)

その後もエラ・フィッツジェラルド、ペギー・リー、フランク・シナトラはじめ多くのアーティストに現代に至るまでカバーされ続けている名曲です。

デューク・エリントンってどんな人?

デューク・エリントン(Duke Ellington)
1899年4月29日 – 1974年5月24日
本名:エドワード・ケネディ・”デューク”・エリントン(Edward Kennedy “Duke” Ellington)

名前について

「デューク(公爵)」というニックネームは、子供の頃から自然な優雅さ、身だしなみを身に付け、きちんとした服装をしていたことから、友人によって付けられたそうです。

ちなみにスティービー・ワンダーの1976年の曲”Sir Duke”はカウント・ベイシー、グレン・ミラー、エラ・フィッツジェラルドを『音楽の先駆者』と称え、その中のキングはデューク・エリントンであると歌っています。

「デューク」が公爵なのに、さらに「サー」の称号をくっつけたのはスティービー・ワンダーの遊び心でしょうか。

音楽の経歴

ワシントンD.C.で生まれたデューク・エリントンは小学生のことからピアノを始め、ハイスクールの頃には校内のパーティではピアニストとして活躍しています。
また、高度な作曲理論も学んで17歳の時にはピアニストとしてデビューしています。

「私の音楽に対する勉強は、GフラットとFシャープの違いを学んだことからはじまった」と語ったらしいよ…ヤバ、わからない!!

ニューヨークに進出したデューク・エリントンのバンドは、1927年(38歳のとき)高級ナイトクラブ「コットン・クラブ」と契約に至ります。

黒人のエリントンがジャズを洗練された音楽として世界に広めていく第一歩。
黒人の地位を高めるという意味でもとても大きな貢献をしているのよね。

デューク・エリントンの楽団は、カウント・ベイシー、ベニー・グッドマン、グレン・ミラー等の楽団とともに、一大スウィング・ブームを巻き起こしました。

「A列車で行こう」「キャラバン」「スイングしなけりゃ意味ないね」「サテン・ドール」「イン・ア・センチメンタル・ムード」など、数えきれないほどの名曲を世に送り出しました。

受賞歴

映画『或る殺人』の音楽でグラミー賞3部門を獲得したほか、合計9回グラミー賞を獲得し。

また、1969年にはその貢献が認められ、リチャード・ニクソン大統領より大統領自由勲章が授けられた他、1973年にはフランス政府からレジオンドヌール勲章が授けられました。

まさにサー・デュークと称えられるほどの偉業を成し遂げた人だったんだ!

 

I’m beginning to see the light(灯りが見えた)歌詞和訳と曲の背景まとめ

『I’m beginning to see the light』は1944年デューク・エリントンによって作曲された名曲。

デューク・エリントンに関する情報と共にご紹介しました。

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