WHISPER NOT(ウィスパー・ノット) 歌詞和訳

ベニー・ゴルソン作曲のWHISPER NOT(ウィスパー・ノット)。

多くのミュージシャンに愛される名曲です。

ヴォーカリストにも取り上げられるこの曲の歌詞和訳をお届けいたします。

WHISPER NOT(ウィスパー・ノット) 歌詞和訳

Whisper Not(1956年)
作曲:Benny Golson(ベニー・ゴルソン)
作詞:Leonard Feather(レオナルド・フェザー)

小さな声で歌ってよ
ちゃんと聞き取れるように 愛の言葉を囁いて
絶望じゃなくて愛の祈りを
歌い続けて ときめきが蘇るまで
物悲しいメロディはすぐに消えていく

私たちはうまくいかなくなったけど
喧嘩した昔のことなんか忘れていいの
昔の口論なんか持ち出さないで
私たちの心はまた寄り添い
愛の言葉を囁きつづけるのだから

どうして「長続きしない」なんて他人の言葉に耳を傾けたんだろ
根も葉もない噂話が私たちをダメにしたの
でもまだやり直せる
余計な言葉は忘れて天使の声を聞くの
それが真実
良くない噂なんて過去のもの
このモヤモヤを振り払いたければ
噂なんかに耳を傾けないで
あなたの愛のささやきだけあればいいの

(筆者意訳)

WHISPER NOT(ウィスパー・ノット)ベニー・ゴルソンさんのこと

ベニー・ゴルソンさんの来日公演に行ったことがあります。
当時たぶん90歳を超えていたベニー・ゴルソンさんは、力強くテーマを吹き終わると、ステージ上に用意された椅子に腰を下ろしました。
背筋を伸ばして。大きなテナーサックスは、きちんとそろえた両膝の上にそっと横たえて。これまた大きな掌は、まるでいつくしむかのように楽器に添えられていました。
それは端正としか言いようのないたたずまい。
そして自分の番が回ってくると、おもむろに立ちあがって豪快にサックスを吹き鳴らす!
年齢を感じさせないテナーの響きは「動」の瞬間。
つい先刻「静」の瞬間を目撃したことで、今この瞬間に音楽を創っている、その存在そのものがJAZZだなあ!と感じました。

ベニー・ゴルソンさん略歴

本名Benny Golson(1929年1月25日 – 2024年9月21日)。

幼少のみぎりからクラシックピアノを習っていたベニー・ゴルソンですが、14歳の時にライオネル・ハンプトン・ビッグ・バンドのテナーサックス奏者、アーネット・コブの演奏を聴いてサックスに夢中になります。

高校時代は2年先輩のジョン・コルトレーンと親しくなり、ベニーの自宅で一緒に練習する仲に。

レッド・ガーランド、フィリー・ジョー・ジョーンズなど、後に有名になる多くのジャズ・ミュージシャンとも交友を深めていき、ライオネル・ハンプトンやディジー・ガレスピーのビッグバンドに加入します。

ここで作・編曲者として頭角を現し、1955年ごろに「ステイブルメイツ (Stable Mates)」、「ウィスパー・ノット (Whisper Not)」などの曲を発表します。

ハンプトンのバンドで才能あるトランペッターであるクリフォード・ブラウンと交友を深めましたが、1956年にわずか25歳で自動車事故死した彼のために書いたのが「クリフォードの想い出 (I Remember Clifford)」。名曲ですよね。

1958年には「ジャズ・メッセンジャーズ」に参加、作曲家・編曲家としての才能を示していきます。「キラー・ジョー」はこの時期の曲。

ベニー・ゴルソンさんはその後もテレビ音楽を手掛けたりスタジオミュージシャンとして過ごす時期を経て再び最前線に復活!ずっと演奏を続けているのが驚異的です。

2024年に惜しくも亡くなられた巨星・ベニー・ゴルソンさん。
いまもどこかのステージで後輩たちの音楽を聴いているかも。

 

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